チャットボットの導入企業例!おすすめポイントや業種別活用例をご紹介

近年、あらゆる企業でチャットボットの導入が進んでいます。チャットボットはコスト削減、業務効率化、顧客満足度向上といったメリットがあります。

 

チャットボットといってもAI型からシナリオ型のチャットボットなど、さまざまなタイプがあるのをご存知でしょうか。

 

今回は企業向けのチャットボットを紹介しつつ、導入事例についても解説していきます。チャットボットに興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

チャットボットとは

ャットボットとは、「チャット」と「ボット」を組み合わせた言葉です。自動会話プログラムのことを指し、さまざまなタイプが登場しています。

 

近年では多くの企業で、カスタマーサポートやお問い合わせ窓口に導入されています。

 

LINE、FacebookといったSNSにも導入されているので、利用経験がある人も多いのではないでしょうか。

 

チャットボットには、大きく分けて下記の4種類があります。シチュエーションや要望に合わせてチャットボットを選ぶと良いでしょう。

 

  • FAQ型 … 顧客から受けた質問内容に対して、データベースの中から適切な回答を返信します。
  • 処理代行型 … 顧客との会話の中で得た情報を元に、システム処理を代行してくれます。
  • 配信型 … 顧客との会話が目的ではなく、決められたタイミングで情報を配信します。
  • 雑談型 … 疑問解決ではなく、顧客との会話を成立させることを目的としています。

チャットボットを導入している企業

森永製菓株式会社

森永製菓では、「おかしプリント」という個人向けのサービスを提供しています。同サービスを利用する中で、ちょっとした質問がある人のために、チャットボットを導入しました。

 

些細な疑問でもお気軽に質問できるということで、問い合わせ件数が約4倍に増加したとされています。

 

チャットボットは自動応答なので、人手をかけずに対応できるというメリットもあります。ユーザー別の訪問回数も確認できるので、もう一歩先の運用方法も検討されているようです。

株式会社LIG

株式会社LIGは、月間平均600万PVの「LIGブログ」を運営するWeb制作会社です。

 

問い合わせハードルが高いと感じているユーザーの取りこぼしを防ぐために、チャットボットを導入しました。

 

すると問い合わせ件数が増え、生の顧客の声を聞く機会が増加したそうです。サービス改善などの指摘もいただけることで、より質の高いサービス提供につなげています。

 

チャットボットの対応も、不便だと感じた点はすぐに拾い上げることができるのも、大きなメリットと言えるでしょう。

 

スターバックス

世界的なコーヒーチェーンで有名なスターバックスでも、チャットボットの導入が進んでいます。

 

人気ショップのスタバは店内が混雑しやすく、注文が複雑になるケースも少なくありません。オーダーミスや店員による聞き間違いも発生するでしょう。

 

しかしテキスト入力形式のチャットボットでの注文を取り入れることで、改善につながりました。

 

カスタマイズや複雑なオーダーに対して、ショップ側でミスをすることが減少したとされています。

アスクル

事務用品を販売するアスクルでもチャットボットが導入されています。

 

アスクルのネット通販サービス「LOHACO」で、カスタマーサポート用のチャットボットを活用しているのをご存知でしょうか。

 

お問い合わせの3分の1をチャットボットが対応することによって、6.5人分の人件費削減を実現しました。

 

件数が増えるほど時間をとられやすい質問対応をチャットボットに任せるだけで、大幅な業務改善とコスト削減につながります。

ライフネット生命

生命保険会社のライフネット生命は、LINE、Facebook MessengerなどのSNSでチャットボットを活用しています。

 

簡単な質問はチャットボットで自動で返答され、より複雑な質問の回答が必要の際には、専用のオペレーターに切り替わるよう設定されています。

 

ユーザーの利便性を高めるとともに、カスタマーサポートの業務効率化が実現されました。

 

チャットは以下の事柄と連携しているので、ユーザーは自分だけのツール感覚で利用することも可能です。

  • 顧客情報
  • 位置情報
  • 注文データ など

CHINTAI

賃貸・物件の情報提供会社であるCHINTAIでは、LINE BOTを活用したチャットボットが導入されています。

 

チャットに探したい物件の条件を入力すれば、マッチした物件が紹介されます。現在位置から物件を探す機能や、条件を登録しておけばチャットに新着情報が通知される機能もあります。

 

またチャットボットには、専用のマスコットキャラクターも登録されています。毎日何かをつぶやくよう設定されており、反応したユーザーから言語を学習しています。

 

利用者が増えれば増えるほど精度が高まり、ユーザーは便利に最新の情報を閲覧できるようになるでしょう。

JR西日本

JR西日本でもチャットボットが導入されています。ホームページ上に「お忘れ物チャットサービス」を設置し、遺失物検索にチャットボットを活用できるようにしました。

 

電車内は忘れ物が多いことでも知られているので、非常に便利な活用方法と言えるでしょう。

 

チャットボットの導入により、落とし物センターへのお問い合わせが減少しました。

 

時間帯に関係なく問い合わせ可能なので、ユーザーは24時間いつでも利用することができます。PCとスマホの両方に対応しており、アプリなどをインストールする必要もありません。

日清製粉グループ本社

チャットボットは対ユーザーだけではなく、社内の問い合わせ対応にも活用できます。

 

大手食品メーカーの日清製粉グループ本社では、社内ヘルプデスクとしてチャットボットを利用しています。

 

もともと日清製粉グループは社内ITヘルプデスクの対応に課題を抱えていました。チャットボットで既存のFAQを活用してツールを構築することで、社内問い合わせの効率化を実現しました。

 

現在では従業員約6,000人からの社内問い合わせが自動化されています。

INVOY(OLTA)

INVOYは、無料で請求業務を行うことができるクラウド請求管理サービスです。主に以下のような書類の作成が、無料で簡単に行えます。

  • 請求書
  • 領収書
  • 見積書 など

 

INVOYでもチャットボットが導入されており、以下のような形で活用されています。

 

こうしたサービスを通すことで顧客満足度のアップを図り、成約率の向上にも役立てられています。

  • サービスの操作方法説明
  • 既存顧客に便利な使い方をご案内
  • 導入検討中のユーザーを対象としたFAQ など

SHIBUYA109

若者に人気のショッピングモール「SHIBUYA109」ホームページでもチャットボットが導入されています。

 

チャットボットにより下記のようなサービスが提供されているので、ユーザーは便利に利用できるでしょう。

  • フロアガイド
  • 在庫の問い合わせ
  • 商品検索
  • コーディネート相談 など

 

無数の商品情報は、公式サイトから自動取得できるよう設定されているので、登録や更新の手間がかかりません。

 

人件費削減を図ると同時に、マーケティング活用にも広げているようです。

チャットボットのおすすめポイント

業務効率化

チャットボットは問い合わせ対応だけではなく、マーケティング支援や社内ヘルプデスクに活用できます。

 

人的コストを削減するだけでなく、あらゆる分野の業務において、効率化が実現されるでしょう。

さらに今後もAI技術は発展していくと見こされています。AI搭載型のチャットボットを導入すれば、継続的な業務効率化が期待できます。

顧客満足度向上

チャットボットは顧客対応を任せることができるので、顧客満足度アップにもつなげられます。

 

チャットボットはスピーディーに対応してくれるので、お客様を待たせることがありません。

 

本来人員を割いて対応するべき業務を見極め、効率的な人員配置を行うことも可能です。

 

有人対応が必要な業務だけを厳選できるので、顧客満足度アップにつながるでしょう。

コスト削減

チャットボットに対応を任せることにより、人的コストを削減することも可能です。

 

顧客対応や社内ヘルプに人材を多く最中くても、業務に支障が出なくなるでしょう。

 

チャットボットを導入した企業の中には、40~60%の業務をカットできたという報告もあります。

 

人的コストを削減することにより、企業の利益につなげていけるでしょう。

チャットボットの業種別活用例

カスタマーサポート

チャットボットはカスタマーサポートのツールとして、設置されているケースが非常に多いです。

 

カスタマーセンターには、日々多くのお問い合わせが殺到します。そのため対応スタッフの業務が圧迫されている事例も少なくありません。

 

しかしチャットボットを導入することにより、ユーザーを自己解決に導けます。対応スタッフの負担を軽減することができ、重要な業務に注力することができるでしょう。

 

業務効率化はもちろん、対応速度向上による顧客満足度アップにもつながります。

ヘルプデスク

近年ではITサポートを社内で行う、社内ヘルプデスクを設置する企業も増えています。

 

現代ではPCやスマホ、タブレットを用いたシステムが普及しました。そのためヘルプデスクの業務内容も複雑化し、多岐に渡っています。

 

中にはヘルプデスク担当者の対応が追い付かない事例も、少なくありません。

 

しかしチャットボットを導入することで、簡単な質問ならすぐに解決できるようになります。社員数の多い企業や、複数の支店を持つ企業に特に向いています。

マーケティング

チャットボットは運用しながらデータを蓄積することも可能です。

 

蓄積されたデータはマーケティングに活用したり、ボットの精度を向上させたりするのに役立てられます。

 

ユーザーからのよくある質問や、適切な回答を共有できるようにアップデートすれば、どんなことが求められているのか分析可能となるでしょう。

 

回答精度も向上させれば問い合わせも増え、より詳しいデータが手に入るようになります。

ナレッジ共有

チャットボットでナレッジ共有することも可能です。社員同士が気軽に会話形式でナレッジを確認できるようになれば効率化につながります。

 

基本的にチャットボットの扱い方は、難しくありません。ITに詳しくない社員でも使いやすい環境を構築すれば、社内全体の生産性向上が期待できるでしょう。

 

チャットボットでどんな情報がよく閲覧されるのかといったデータも貯まっていきます。

 

効果検証がより簡単になり、定期的に検証することで、社内システムをより良くすることも期待できます。

自治体窓口

チャットボットは自治体の窓口にも浸透しつつあります。

 

自治体の窓口にも、企業と同じようにたくさんの問い合わせが寄せられています。職員の負担削減や、待ち時間削減のため、チャットボットを利用する自治体も目立つようになりました。

 

チャットボットは時間や曜日に関係なく、問い合わせすることが可能です。またその場で回答を得ることができるので、忙しいサラリーマンや共働き世帯に支持されています。

チャットボットの導入をおすすめする企業

FAQが定型化している

問い合わせの内容が定型化しているケースには、チャットボットが効果を発揮してくれます。そのため同じような質問が多い企業に、チャットボットはオススメです。

 

問い合わせ窓口は、対応するオペレーターのスキルや経験により、品質が変わることも珍しくありません。

 

チャットボットなら回答が均質化し、ヒューマンエラーを防止することも可能です。同じような問い合わせが多い企業は、チャットボット導入に向いていると言えるでしょう。

24時間の対応が必要

早朝や深夜にユーザーからの問い合わせが多い企業にも、チャットボット導入がおすすめです。

 

営業時間外にオペレーターが対応できない窓口では、ユーザーの不満が溜まりがちになり、顧客離れを招きかねません。

 

チャットボットなら、有人対応できない深夜や休日でも年中無休で稼働させられます。営業時間外にも対応できるようにすることで、日中の問い合わせが減るというメリットもあります。

 

結果として業務効率化や、負担軽減につながるでしょう。

CVRを向上させたい

CVR(コンバージョンレート)改善を図りたい企業にも、チャットボットはおすすめです。

 

たとえば「qualva」というチャットボットは、新規顧客獲得を目的に作られたチャットボットです。

 

あらゆる属性に合わせて会話をアレンジでき、サイトからの離脱を防いでCVRアップに導きます。

 

ウェブサイトからの新規顧客獲得を目的としているのなら、こうしたチャットボット導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

チャットボットの導入をおすすめしない企業

FAQの内容が複雑

問い合わせ内容がバラバラだったり、複雑だったりする企業には、チャットボットでの対応は不安が残ります。

 

臨機応変な質問が多い企業の場合、チャットボットよりも有人チャットの方が適切に対応できるでしょう。

FAQのパターンが多すぎる

FAQ自体は定型化できても、FAQのパターンが多すぎる場合にも、チャットボットが向いていない可能性があります。

 

登録するパターンが多いと、チャットボット内のシステムが複雑になってしまいます。結果として、うまくユーザーからの質問に答えられなくなるかもしれません。

PV数や問い合わせ件数が少ない

サイトのPV数や、そもそも問い合わせ件数が少ない場合も、チャットボットは向いていません。

 

チャットボットはやり取りを繰り返すことで精度が向上していきます。問い合わせ件数自体が少ないと、精度の高いチャットボットの構築が難しくなります。

 

問い合わせの数が一定数あり、同じパターンのやり取りを増やしていくことで、費用対効果が高まるのです。

 

PV数や問い合わせ件数が少ない場合、チャットボットの効果は発揮しにくくなるでしょう。

チャットボットより有人チャットがCVアップ

チャットボットは、蓄積されたデータや、あらかじめ設定されたシナリオの範囲内でしか対応できないというデメリットもあります。

 

単純にCVRアップを狙うのであれば、有人チャットがおすすめです。

 

チャットボットの場合、複雑な質問には、メールや電話で再度お問い合わせすることになるでしょう。

 

ユーザー側からすると二度手間になってしまい、場合によっては機会損失となりかねません。しかし有人チャットなら、すぐにその場でオペレーターに切り替えることが可能です。

 

どのような質問にも臨機応変に対応できるので、CVR向上につながるでしょう。確実にCVRアップを狙うのなら、有人チャットがおすすめです。

まとめ

今回はチャットボットの導入事例を紹介しました。チャットボットは自動回答を発信でき、24時間いつでも対応可能という便利なツールです。

 

これまで電話やメールだけだった問い合わせ窓口に、新たな選択肢を増やしてくれます。そのため導入する企業や自治体も、多く見られるようになりました。

 

一方で臨機応変な対応ができない、複雑な質問に弱いといったデメリットもあります。企業によってはチャットボットよりも有人チャットの方が向いているケースもあるでしょう。

 

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